菊水飴は江戸時代より北国街道の名産とし多くの人に親しまれ、昔を今に伝統を受け継ぎ、穀物でんぷんを麦芽糖化した水飴で砂糖や添加物など一切使用せず、独特の風味をもつ昔懐かしい手造りの飴です。お箸で巻いて召し上がっていただく柔らかい飴です。
往時はただの地名 (近州坂口) の焼印を押捺するのみにて販売していました。当初は、「坂口飴」の名で宣伝され親しまれました。
また、曲物入りと竹皮の包装は元禄時代からのもので、肩や荷物の上に、あるいは牛や馬の背中につけて道中での雨露をしのぎ変質を防いだものです。
菊水飴は、福井藩主 松平光通卿(1636~1674)が参勤の途路、腹痛を直した功により数々のご褒美を賜りました。
そして、京都の醍醐寺三宝院門跡第八十三代高賢座主(~1707)が、この飴の風味をお褒めになり、菊の御紋の暖簾(のれん)と共に、次の和歌を賜りて「菊水飴」と称えよ、と仰せられました。
つきせしな 千代の 久寿利に 栄えける
黄金のいろの きくすいあめ
このような経緯から、明治十八年に菊水の紋章を以て登録商標として登録し、以後、「菊水飴」と称するようになりました。
現在、このようなご縁により、醍醐寺三宝院売店で「菊水のつぶあめ」を販売中です。